ピックアップの位相が違う原因
◎ピックアップの出力の特性
エレキギターは主に鉄製の弦を使用し磁石にコイルを巻いたピックアップを搭載しこのピックアップの発電した電気を増幅して大きな音を出すようにした楽器です。
このピックアップには最初に弦をはじいたときにプラスの電圧を発生するものと逆にマイナスの電圧を発生する二通りが存在いたします。
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またピエゾピックアップなどのように磁石を発生するものもあります。この二通りの極性で出力されるピックアップがあるために位相の問題が発生いたします。
また次に説明するアンプやエフェクター等も同様に位相を変化させる要因があり楽器本体からスピーカーに至るまでいろいろな組み合わせで最終的な音波の進行方向が変化するわけです。 |
ピックアップメーカーのカタログや市販の楽器の本等にピックアップの位相として記されてる記事などをみかけます。正位相、逆位相と二通りの位相が表記されています。この場合の正位相とはピックアップに磁石又は磁化する金属を近づけた場合にプラスを出力するものを正位相、その逆を逆位相としております。
でも実際に演奏を行うと
正位相の性質のピックアップはマイナス出力に、
逆位相とされるピックアップはプラス出力となります。
これはどうゆうことでしょうか。メーカーはここまでわかって表示しているのでしょううか。どうしてこのような逆の電圧を出力するかは次のように推測いたします。
正出力の性格のものは物理で良くきくファラデイの右手の法則でもわかるように、固定した磁石にコイルを巻いているピックアップに弦が近づくと磁石自体をコイルの中で振動させる作用が生じ発電します。
この作用で弦が近づくとプラス電圧を出力します。
次にこのピックアップで実際に演奏するように絃をはじくとどうでしょうか。こんどは固定した磁石のN局よりS局へ向かって作用している磁束を、弦が直角に運動し切ったり乱したりします。この時に磁石にまかれたコイルに電圧が発生しますが、運動がさきほどのように磁石に対して垂直作用ではなく直角作用になるため、前記法則から逆向きの電流となり、出力電圧も逆の極性となります。
このような理由によりご使用のピックアップが正出力だからプラスが出ていると殆どのかた達が認識されていると想像します。ただし絃をピックアップに対して垂直に引き上げ離して演奏する場合はメーカーの極性で出力されますが、
実際に演奏においては直角に絃をはじく奏法が大半となり
出力は逆に出ると認識した方が賢明
だと思います。 >>次へ
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